【初心者向け】今年発売の『東日本のんびり旅パス』とは? どうすればコスパ良く使えるか?(モデルコースあり)
先日、JR東日本から『東日本のんびり旅パス』を新たに発売するとのニュースがありました。
これは3日間9000円で、JR東日本管内の普通列車が乗り放題になるフリーパスです。
季節限定のフリーパス『北海道東日本パス』や『青春18きっぷ』のコンパクト版みたいな内容ですが、今回はこの『東日本のんびり旅パス』をお得に使ううえで考えるべきことをお伝えできればと思います。
『東日本のんびり旅パス』とは?
フリーパスの内容は以下の通りです。
似たようなきっぷで『北海道東日本パス』がありますが、それよりも値段が安い分、フリーエリアや利用期限がコンパクトとなっており、かつ『北海道東日本パス』では乗れる私鉄路線(いわて銀河鉄道・青い森鉄道・北越急行)が別料金となっています。
また、『東日本のんびり旅パス』は、お盆など一部利用できない期間があるのも要注意!
そして、チケットサービス『えきねっと』での限定販売のため、購入には『えきねっと』の会員登録が必須です。
活用するうえで考えておくべき事
ここでは、『東日本のんびり旅パス』をコスパ良く活用する上で考えておくべきことを、自分なりまとめてみました。
①運賃✖️移動時間を考慮しているか
『東日本のんびり旅パス』の場合、単純に1日3000円利用で元は取れますが、3日間という短期間で一気に元を取ろうとすると、移動だけで時間をとられてろくに観光できなくなります。
参考までに、東京駅から普通列車で主要駅まで乗車した際の片道料金と所要時間は以下の通りです(なお、SUICA利用時の金額は省いてます)

普通列車の場合は片道1000円で1〜1.2時間かかると考えれば分かりやすいかもしれません。
そして9000円分の移動となると、約9〜11時間は普通列車に拘束されると考えた方がいいでしょう。
しかも乗り継ぎの時間は考慮していないので、乗り継ぎのタイミングによってはさらに所要時間がかかります。
果たして、その時間を普通列車に乗っていられるのか? というのは常に念頭におきましょう。
②『えきねっと』の早割やキャンペーンの方がお得になる場合も

また、JR東日本のチケットサービス『えきねっと』では早割があり、新幹線・特急などの料金が通常なら5〜30%引き、キャンペーンや時期によっては50%以上割引になる事もあります。
50%になる事は多くないですが、それでもうまく早割を活用できれば、『東日本のんびりパス』とあまり変わらない料金で長距離を往復できることがあります。
なにより、多少値段が高くても、新幹線なら普通列車よりも圧倒的な速さで快適に移動できるのが大きいところ。
また、対象者は絞られるかもしれませんが、JREポイントを貯めている人であれば、同じくキャンペーンによってはお得なポイントレートで新幹線に乗れます。

旅行に行く時期が決まっているなら、JR東日本の公式サイトなどでお得になるキャンペーンが開催されているか一度確認しておくといいでしょう。
③他のフリーパスも利用できないか?
北東北を旅するなら『北海道&東日本パス』も候補の一つです。
季節限定になりますが、普通列車限定のフリーパスで似たようなものに『北海道東日本パス』があります。
(このほか『青春18きっぷ』もありますが、JR東日本内管内を旅する場合は『東日本のんびり旅パス』と大差ないのでここでは割愛します)
・JR北海道、JR東日本の普通列車が 2025 年7月1日~9月30日のうち「連続する7 日間」乗り放題。
・大人11,530円、小児5,760円
・青い森鉄道線、いわて銀河鉄道線、北越急行線の普通列車もご利用可能。
・別に特定特急券をお買い求めいただくことで、北海道新幹線(新函館北斗~新青森間)の立席(空いている席)がご利用可能。
こちらは2500円ほど値段が上がりますが、その分利用期間が7日間に伸びるだけでなく、いわて銀河鉄道・青い森鉄道・北越急行といった一部私鉄もフリーエリアに入ります。
『東日本のんびり旅パス』で関東から青森・秋田・岩手へ普通列車だけで旅&観光しようとなると3日だけでは足りない可能性が高く、列車に乗るだけで1日が終わるなんてことも起こりえます。
一方、『北海道東日本パス』なら利用期間が延び、いわて銀河鉄道線・青い森鉄道が利用できるので青森までのアクセスがしやすくなり、なおかつ、気が向けば函館など北海道にも足を運べるので旅の選択肢が広がります。
北東北を旅するつもりで、かつ利用期間内であれば『北海道&東日本パス』の利用も考慮しましょう。
高速バスの方が安くならないか?

あと、忘れてはならないのが高速バスとの比較です。
元を取るためにおよそ10時間ほど鈍行列車に乗車するとなると、単純に、東京〜福島を高速バスで往復しているのと変わらなくなります。
そのうえ、普通列車で遠方へ行こうとすると大概は乗り換えが必要となりますが、路線や時間帯によっては次の列車が数時間後までこないなんてことも(特にローカル線)。

主要な路線でもたとえば東北本線の黒磯〜新白河は、乗り継ぎが悪いと2時間ほど待ちぼうけになることもあります
その点、高速バスなら渋滞に巻き込まれる危険性はあるものの、目的地までは一直線に向かってくれるため、方面次第では高速バスに軍配が上がります。
鉄道が好きな人ならいいかもしれませんが、コスパだけでフリーパスを使用しようと考えている場合は、高速バスの有無や所要時間など確認しておきましょう。
『東日本のんびり旅パス』をお得に利用する方法
ここまで少しネガキャンみたいな内容になってしまいましたが、では、どんな使い方をすればお得になるのか?
あくまで持論ですが、以下の3つの方法がお得かもしれません。
①3日間かけて複数のエリアを旅する(推奨)
②2日間と日帰りで、それぞれ別の場所を旅する
③日帰りでそれぞれ別の場所を旅する
一つずつ順に説明してきます
①3日間かけて複数のエリアを旅する。


いわゆる周遊きっぷとしてフリーパスを使用する方法です。エリア内なら乗り降り自由なので、特性を生かすならこの使い方が一番効率いいです。
あくまで一例ですが、乗車時間に縛られることなくゆっくり観光できるうえ、人気の只見線に乗れるオススメのモデルコースを作ったのでよろしければ参考までに。
1日目
東京(8:29発)⇨高崎(10:15着/10:24発)⇨水上(11:31着/11:39発)⇨越後湯沢(12:13発)ーー(宿泊)
※途中、水上駅で温泉を満喫したり、もぐら駅で有名な土合駅などに立ち寄るのもアリです。その場合、水上〜越後湯沢の本数が少ないので時刻表は要チェック!
2日目
越後湯沢(12:14発)⇨小出(12:56着/13:12分発)⇨(只見線)⇨会津若松(17:24着)ーー(宿泊)
※只見線の本数がとにかく少ないので、乗り遅れがないように!
3日目
会津若松(13:30着)⇨郡山(14:36着/14:51発)⇨新白河(15:30着/15:47発)⇨黒磯(16:10着/16:16発)⇨宇都宮(17:09着/17:15発)⇨東京(19:05着)
※移動が大半になるため、会津若松での観光が不要なら2日目に郡山などで宿泊するのもアリ
※宇都宮で途中下車して餃子を堪能するなどもいいと思います。
※時間調整する場合、黒磯〜新白河の本数が少ないので乗り継ぎの時間は要チェック!
②2日間と日帰りで、それぞれ別の場所を旅する
また3日間を一気に使うのではなく、例えば最初の2日は東北方面を旅して、最後の1日で伊豆や房総方面を日帰りするといった使い方もありです。
この場合、観光地を満喫するなら2日間では移動時間を片道3〜4時間ほど、日帰りなら片道1〜2時間ほどに抑えると観光と両立しやすくなるでしょう。一例ですが、"2日間"と"日帰り"で行ける場所を参照しておきます。
・東京から2日間で行けるオススメエリア
草津温泉(片道4時間前後)、水上温泉(片道3時間前後)、那須高原(片道3時間前後)など
東京から日帰りで行けるオススメエリア:
館山・安房鴨川・熱海・小田原・宇都宮・高崎・横川・水戸など
③日帰りでそれぞれ別の場所を旅する
一応この方法もありですが、正直あまりオススメしません。
というのも普通列車で日帰り旅行をする場合、遠距離になればなるほど鉄道に乗るだけの旅となり、観光と両立しづらいからです。
列車に乗るのが好きな方なら問題ありませんが、ゆっくり観光をするのであれば①・②の方法で利用しましょう。
注意点!
先ほどもお伝えしましたが、この記事にのせた所要時間は乗り継ぎ時間を考慮していません。
時間帯によってはお伝えした以上に時間がかかります。利用する予定がある場合は、時刻表や路線アプリなどで事前に発着時間を確認したうえで旅程を立てましょう。
まとめ 自分好みの旅をしよう!


普通列車限定のフリーパスは、コスパ良く移動しようとすると少しコツが必要になりますが、逆にうまく活用すれば元が取れるだけでなく有意義な旅にもできる優れものです。
なにより、旅のやり方は無限大です。ここに書いた方法だけでなく、自分のやりたい事を取り入れながらアレンジしてみてください。
これから夏本番となり本格的な旅シーズンにもなりますが、みなさんの旅にこの記事が役立つことを願います。
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