【必見!】普通列車で東北地方を旅する時、知っておくと役立つこと

こんにちは、静田です。
いよいよ夏本番ということで、『青春18きっぷ』や『東日本北海道パス』、さらに今年からは3日間普通列車が乗り放題となる『東日本のんびり旅パス』も発売となり、鉄道旅も本格シーズンに差し掛かろうとしています。
普通列車で旅をする人の中には東北地方へ旅行しようと計画している方もいるかもしれませんが、東北地方の鉄道は災害による不通区間があったり本数が少なかったりします。
また高速バスなど他の交通機関と併用することでより快適な旅行にできたりなど、初見だと戸惑いやすいエリアともいます。

今回は、東北在住でかつ鉄道旅の好きな筆者が、これを知っておくと鉄道旅がしやすくなる情報をいくつか皆さんにお伝えできればと思います。
東北地方の鉄道旅についての概要

結論から言えば、仙台など一部のエリアを除けば本数はとにかく少ないです。
東京などの首都圏と違い、東方では新幹線駅や県庁所在地の大きな駅でもローカル線は1時間に1本は当たり前。ローカル線によっては次の列車が数時間後など普通に起こりえます。
また、東北地方の大部分が車社会であることから道路網が整備されており、高速バスが列車よりも充実していることが多いです。
そのため、区間によっては列車だけにこだわらず、別途料金はかかりますが高速バスを利用することで旅行の選択肢が広がります。
東北での鉄道旅で知っておきたいこと
普通列車だと、日本海側↔︎太平洋側への横断が非常にしづらい

日本海側と太平洋側とを往来するときにはローカル線を利用する事になりますが、現在、そのローカル線が苦境に立たされています。
まず、日本海側↔︎太平洋側を往来するときのローカル線は次の通りです。
・陸羽西線+陸羽東線ルート
(酒田 ⇄ 新庄 ⇄ 小牛田)
・米坂線ルート
(坂田 ⇄ 米沢 ⇄ 福島)
・田沢湖線ルート
(秋田 ⇄ 大曲 ⇄ 盛岡)
・奥羽本線+北上線ルート
(秋田 ⇄ 大曲 ⇄ 横手 ⇄ 北上)
このうち、陸羽西線はトンネル工事による影響でバスの代行輸送に、陸羽東線も2024年の豪雨により鳴子温泉〜新庄で不通となりバスの代行輸送から本数が減っています。
また少し東北地方からはみ出しますが坂田(新潟県)〜米沢(山形県)を結ぶ米坂線も2022年の豪雨でバスの代行輸送となり、所要時間の増大と本数が減っています。
別のルートとして秋田〜盛岡の間を通る田沢湖線がありますが、田沢湖〜雫石を通る普通列車が非常に少ない(1日4往復のみ)ため、うまく時間を定めるか別料金で新幹線を利用しないとやはり辛いです。
2025年時点では、岩手県の北上駅〜横手駅を結ぶ北上線を利用して、横手から奥羽本線で秋田に行くのが方法が一番現実的かもしれませんが、ここも本数は決して多くないので過信は禁物です。
幸い、酒田〜山形・仙台や秋田〜仙台での高速バスのほか、秋田からは新幹線で盛岡にも行けるので、時間の都合が悪ければ無難にそれらも活用しましょう。
鉄道だけでなく、高速バスもうまく組みあわせる

概要でもお伝えしましたが、東北地方は高速バスが整備されているので、場所によっては鉄道よりもバスの方が本数・利便性に軍配があがります。
そのため、東北地方の鉄道旅をより有意義にする上では、時に高速バスを併用することで選択肢の幅が広がります。
以下に東北地方を旅する上で有用そうな都市間バスの区間をいくつか載せておきます。
・山形〜仙台
片道1時間と仙山線を利用するよりも所要時間が早く、1時間に最大4本と本数も多く、しかも片道1100円なのでそこまで痛い出費にならないと、この区間においてはバスが圧勝です。
ちなみに仙山線だと仙台〜山形間で最速1時間20分かかります。
またお勧めするもう一つの理由として、仙山線がとにかく遅延・運休しやすいことです。
この仙山線は山間部を通ることから悪天候に弱く、また猪や鹿などの野生動物によるトラブルもたびたび見られます。初冬にかけては落ち葉による空転で遅延することもあります。
冬は冬で豪雪地帯である山寺周辺を通ることから、やはり遅延のリスクがあります。
予定を狂わせたくない場合、この区間においては大人しくバスを選んでおくと無難です。
ただし定期の高速バスは、観光名所の山寺を通りません。山寺を観光する予定なら仙山線を利用しましょう。
・山形・寒河江〜鶴岡・酒田
山形県内の日本海側〜内陸を往来する上で利用しやすい高速バスです。予約は不要で、山形〜酒田で2800円です(山形〜鶴岡は片道2600円)
前述のとおり、内陸と海側を結ぶ陸羽西線や米坂線が代行輸送で減便となっているため、スムーズに日本海側↔︎山形内陸を行き来するなら唯一の選択肢といえるかもしれません。
ちなみに鶴岡・酒田を結ぶ都市間バスはこのほかに仙台発着の便がありますが、仙台発着の便は事前予約が必要なので、もしも利用される場合にはご注意ください。
・仙台〜気仙沼
岩手から宮城にまたがる三陸方面の玄関口・気仙沼へ向かうなら、やはりバスの利用がおすすめです。
本数や所用時間でバスに軍配があがるだけでなく、JRで仙台〜気仙沼を行こうとするとかなり苦労します。
2025年現在、仙台から気仙沼へ向かう際には仙台から片道1時間ほどの場所にある柳津駅(一部・前谷地駅からも出発あり)へと向かい、そこから鉄道ながらもバスで運行されるBRT気仙沼線で行く事になります。
このルートですが、まずBRTの乗り換え駅である柳津駅(または前谷地駅)まで本数が少ないためここまで辿り着くだけでも大変です。
BRTも気仙沼へ直接向かうバスの本数は多くなく、さらに柳津駅〜気仙沼駅まで片道2時間20分かかります。仙台からうまく乗り継げたとしても3時間以上はかかるわけです。
そしてこのBRT、基本的には路線バスと座席は変わらないので、長時間乗り続けるにはかなりの苦行です。僕も一度乗り通したことがありましたが、途中から腰やお尻が痛くなったのを覚えています。
海辺を通っていくので車窓はそれなりに楽しめますが、路線バスに長い時間乗るのが苦手な方で、かつ目的地へ早く到着したい場合は高速バスを利用しましょう。
・盛岡〜宮古
岩手県の県庁所在地・盛岡から三陸海岸で浄土ヶ浜など美しい海が広がる宮古を結ぶ区間。
ここも鉄道路線の山田線がありますが、直通する本数が1日5往復と異常に少ないうえ、迂回しながら走行する都合上、所要時間もバス以上にかかります。
それこそ山田線の存続が危ぶまれるほどで、最近では山田線の普通乗車券で高速バスにも乗れる特例が制定されました。(いずれは共同経営も視野に入っているそうです)
ただし、2025年時点では『青春18きっぷ』『東日本のんびり旅パス』などのフリーパス利用時はこの特例の対象外なので、バスへ乗車するには別途バス料金が必要になります。ご注意を。

山田線の本数が少なすぎるから、近いうちにフリーパスでも乗れるようになることを願いたい……
ホテルの無料送迎バスで、いっきに遠くへ
バス利用に関する話の延長ですが、宿泊時に利用できる送迎バスのなかには、長距離を移動してくれるものもあります。


一例として、気仙沼にある宿泊施設『ホテル観洋』または『気仙沼プラザホテル』では、宿泊客へのサービスとして、なんと仙台駅東口から送迎してくれます。
前述しましたが、仙台〜気仙沼まで高速バスで片道2時間半、片道運賃が2200円なので、もしも『ホテル観洋』に宿泊して送迎バスを往復で利用すれば、4000円以上もお得に移動ができます。
あくまでも宿泊サービスの一つなのでホテル側の事情次第では突然変更となる場合もありますが、気仙沼に訪れる予定があるならぜひ公式サイトなどで一度確認しつつ利用してみるといいでしょう。
『のって楽しい列車』をうまく活用しよう


東北地方には『リゾートしらかみ」』をはじめ、『ひなび』や『SATONO』などジョイフルトレインが多数あり、土日などを中心に走っています。
これらの列車は基本的には快速の扱いなので、別に指定席券を購入すれば、『青春18きっぷ』や『東日本のんびり旅パス』など普通列車限定のきっぷでも乗ることができます。


(クリックすると公式サイトに飛びます)
ただ、運転日が変則的なこともあり日によっては全く違う場所で走行するため、公式HPなのでで事前に走行ルートや運転日を確認してから乗るようにしましょう。
※このほかにも、参考になりそうな情報は随時アップしようと思うのでよろしくお願いします。
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