本州⇄北海道をコスパよく移動できるシルバフェリーの『なかよしきっぷ』の魅力と注意点
・八戸〜苫小牧を結ぶシルバフェリーや、『なかよしきっぷ』のお得度について
・本州から北海道を渡る航路『青函フェリー』や『津軽海峡フェリー』(青森〜函館)との差別化

先日noteの記事で、本州と北海道を移動する有力な手段として『シルバーフェリー』や『太平洋フェリー』を紹介しました。

静田はシルバーフェリーを利用した際に『なかよしきっぷ』を利用したのですが、それが安く北海道を渡るうえで有効な選択肢だと思いこうして記事を書きました。
なのでこの記事では「なかよしきっぷ」の魅力について紹介していきます。
『なかよしきっぷ』とは?
概要

「なかよしきっぷ」はフェリー代と、フェリーターミナルから指定された都市までの高速バス代がセットになったきっぷで、主に【八戸⇄札幌】を結ぶ『札幌八戸なかよしきっぷ』と、【盛岡⇄札幌】を結ぶ『札幌盛岡なかよしきっぷ』の2つがあります。
いずれも電話のほか、ネット予約も可能。
ちなみに上記の値段は"二等客室(雑魚寝)"を利用した際の値段です。
個室など客室のグレードアップも予約時に空きがあり差額分を支払えば可能です。
客室の料金
以下は公式サイトから引用したものです(2025年10月時点)

(画像クリックで公式サイトに飛びます)
個室希望の場合、+3000円を支払えば二等客室(雑魚寝)→二等客室A(個室)へのグレードアップが可能です。
ちなみに、個室はこんな感じでした。


個室の一番低ランクの二等客室Aはベッドとミニデスクがついた小さな部屋で窓はありません。
ベッドは横幅が狭いので寝返りはやや打ちづらいかもしれませんが、普通の大人なら問題なく寝っ転がれると思います。
実際、静田(約175センチ)もひとり旅で個室を利用しましたが、多少の揺れは感じつつも問題なくベッドで熟睡できました。
「不特定多数の人と雑魚寝はちょっと」という方はグレードアップして快適な旅にしましょう。
『札幌八戸なかよしきっぷ』
八戸〜苫小牧港までのフェリー代に加え、苫小牧港〜札幌までの高速バス代がセットになったきっぷです。
この区間では2便あり、好きな方を選ぶことができます。
【八戸→札幌】
〈第1便〉
八戸港(8:45発)〜(フェリー)〜苫小牧フェリーターミナル(16:00着/16:46発)→【バス】→札幌駅前(18:37着)
〈第2便〉
八戸港(22:00発)〜(フェリー)〜苫小牧フェリーターミナル(翌6:00着/6:47発)→【バス】→札幌駅前(8:37着)
【札幌→八戸】
〈第1便〉
札幌駅前(17:45発)→【バス】→苫小牧フェリーターミナル(19:45着/21:15発)〜(フェリー)〜八戸港(翌4:45着)
〈第2便〉
札幌駅前(20:15発)→【バス】→苫小牧フェリーターミナル(22:10着/23:59発)〜(フェリー)〜八戸港(翌7:30着)
なお八戸港までは、八戸駅および本八戸駅からシャトルバスが出ていますが、シャトルバスの料金は『なかよしきっぷ』の適用外なので別料金です。
『札幌盛岡なかよしきっぷ』
上記のセットに加え、盛岡〜八戸フェリーターミナルまでの高速バス(八盛号)がセットになったきっぷです。
八戸〜札幌と異なりこちらは1便のみなのでご注ください。
【盛岡→札幌】
盛岡バスセンター(17:55発)→【バス】→八戸フェリーターミナル(20:55着/22:00発)〜(フェリー)〜苫小牧フェリーターミナル(6:00着/6:47発)→【バス】→札幌駅前(8:37着)
【札幌→盛岡】
札幌駅前(20:15発)→【バス】→苫小牧フェリーターミナル(22:10着/23:59発)〜(フェリー)〜八戸港(7:30着/8:00発)→【バス】→盛岡バスセンター(11:13着)
※高速バスは途中、いくつか止まる停留所あり
利用方法
ネット予約の場合は購入完了メールに貼られているURLをクリックしたのち、メール記載の【予約番号】・【登録時の電話番号】でログインすると以下のような画面が出てきます。

乗船手続きはサイト内のQRからでも、画面を見せることでも可能です。
また『なかよしきっぷ」でバスを利用する際は、乗車の時間になると「QR読込」という青い部分がタップできるようになります(写真は使用済みのため『読取済』となっていますが……)。
降車時にタップするとカメラが起動するのでバスの専用QRをカメラで読み取り、その後に表示される画面を運転手に見せれば完了です。

公式サイトでも利用方法が書かれているので、分からないからはそちらもチェックしてください。
『なかよしきっぷ』はどれぐらいお得?
フェリーを二等客室だけで利用した時の値段と「なかよしきっぷ」でそれぞれ比較してみます(2025年10月時点)
【なかよしきっぷ(片道)】
・八戸⇄札幌:6500円
・盛岡⇄札幌:8400円
【それぞれ別々で購入した値段】
・シルバーフェリー2等客室:6000円
・高速バス(盛岡〜八戸港):2500円
・高速バス(札幌〜苫小牧):1580円
(通常料金・片道)
八戸〜札幌:7580円
盛岡〜札幌:10080円
単純計算で八戸〜札幌で1000円ちょっと、盛岡〜札幌で1600円ほど安くなります。
ただ盛岡発の場合、出発が17:55と比較的早く、そこから翌朝までずっと移動続きになるので、それなりに準備が必要です。
また盛岡から八戸までは新幹線で片道30分前後(片道3500円ほど)なので、個人的には八戸までは新幹線で向かったのち残り時間を夕食なり買い物なりに費やしてもいいのかなと思います。
『なかよしきっぷ』を利用して分かった注意点
注意点①:指定された高速バスに乗る必要がある
「なかよしきっぷ」で利用できる高速バスは指定されています。
特に札幌〜苫小牧間は高速バスの本数が多いので乗るバスを間違えないご注ください。
注意点②:繁忙期では高速バスが混雑することも
フェリーを行き来する高速バスは、基本的には利用客がそのまま利用する事が殆どです。
そのためフェリーの利用客が多い休前日(おもに金・土曜日)発などではフェリーターミナル発着の高速バスが満席になりやすいです。
一応、日によってはバスの増便もあるみたいですが確実ではないとのこと。
なので高速バスの混雑を避けて札幌へ向かうなら「なかよしきっぷ」は買わず、路線バスで苫小牧駅まで向かいそこから特急および普通列車で札幌に向かうのも一つの手です。
まとめ:
一夜を過ごしながら札幌へ渡れるため、船が苦手とかでなければシルバーフェリーは本州⇄北海道を無駄なく渡るうえで有用な選択肢です。
そのうえで『なかよしきっぷ』を駆使すればより安くフェリーや高速バスを利用できるので、安く旅行がしたい多くの人におすすめできると思っています。
・札幌近郊だけに用事がある人
・八戸や盛岡の近くに住んでいる人
・『青春18きっぷ』利用者など、できるだけ安く・効率的に札幌へ向かいたい人
・飛行機が苦手な人
・多少混雑しても気にしない人
etc
逆に、登別や室蘭・洞爺など、札幌とは逆方面に用がある人は『なかよしきっぷ』を買わない方が自由度は増すかもしれません。
基本的には飛行機で北海道へ渡る人が多いとは思いますが、急な旅行などだと航空券もかなり高額になったりすることが多いでしょう。
反面、フェリーは空きがあれば急な予定があっても安定した価格で利用できるのも大きな利点です。

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