【静かに過ごしたい方必見!】どこよりも静かに温泉が楽しめる入浴施設『惣湯テラス』の魅力!
自然の中で邪魔をされず温泉につかりたいーー。
そんな贅沢が叶うのが今回紹介する神奈川県・湯河原の日帰り温泉施設『惣湯テラス』です。
『日常から少し離れ、しずかに豊かに過ごすための場所』というのをコンセプトで作られたこの『惣湯テラス』は、実際に訪れてみると、一般的な温泉施設なんかでは味わえない静寂を味わいながらゆっくり過ごすことができました。
なぜ静かに過ごせるのか? 「惣湯テラス」の概要と魅力、そしてより充実して過ごすにはどうすれば良いかなどをお伝えしていきます。
1.惣湯テラスの概要

JR湯河原駅からはバスで「落合橋」バス停を下車してすぐそこにあります。
元々この湯河原は、一年を通して温暖で風光明媚な地として万葉集にも詠まれ、万病に効くという良質な温泉が湧く場所として親しまれた温泉地。
明治中頃からは、秘湯の趣と閑雅な風情を求めて多くの文人が訪れては、湯河原を舞台にした作品を遺しており、この万葉公園も日本の歴史公園100選にも選定されるなど由緒ある公園として親しまれたそうです。

そして2021年、万葉公園の全面リニューアルと同時にオープンした施設が「湯河原惣湯Books & Retreat」で、「玄関テラス」と「惣湯テラス」の二つに分かれています。

まず万葉公園の入り口にあたるこの建物が「玄関テラス」です。
「玄関テラス」は予約無しで利用可能で、1階では湯河原にゆかりのある本や絵本も自由に読むことができます。


楽しそうな絵本が沢山取り揃えられていますが、誰でも訪れられるという事もあって平日でも日中はそれなりに混雑します。

2階はコワーキングスペースとなっています。ここでは1Fで購入したドリンクや食事を飲食しつつ、フリーWi-Fiもあるのでパソコンなどの作業も可能です。


このほか事前に施設利用書を提出すれば貸会議室やデッキなども貸切で利用できるみたいなので、ワーケーションなどにも利用可能でしょう。

また、すぐそこには足湯もあります。
食べたり飲んだり、読書や作業をした後はここで一息つくのもいいでしょう。

一方、「惣湯テラス」は玄関テラスより川辺の遊歩道を10分ほど奥へ進んだ先にあります。

園内には遊歩道だけでなく、川のせせらぎを感じながらくつろげるスペースがいくつも設けられ、都会にはない体験を与えてくれます。

筆者も、清流に耳を傾けながら思わず「ぼーっと」してしまいました。
また園内には小説家の国木田独歩(くにきだ どっぽ)や、歌人の佐佐木信綱などの文人の歌碑が点在しており、そのことからも昔から多くの人々に親しまれていたことがよく分かります。

散策路だけでも十分楽しめる仕掛けとなっていますが、園内は急勾配や階段が続くので、スーツケースなど大きな荷物を持ちながらの散策はあまりオススメ出来ません。
なので「玄関テラス」のロッカーに一旦預けるか、湯河原内で宿泊予定ならホテルや旅館に事前に預けるかなどすると気兼ねなく過ごせるかと思います。

公園を楽しく散策しているうち、気づけば「惣湯テラス」に到着です。
森の中から突如現れる静謐(せいひつ)な佇まいは、まさに「森の聖域」。

ここが温泉施設で、基本的には予約が必要になります(当日空きがあれば予約無しでも入れるみたいですが、確実に入るなら絶対予約はしましょう)
2.『惣湯テラス』の利用料金
2.1. プラン詳細
※掲載情報は2025年8月時点の情報

プラン名 | 料金(一般/税込) | 滞在時間 | 含まれるサービス | 備考 |
---|---|---|---|---|
食事なしプラン | 3,300円 | 3時間 | 温泉、ライブラリー、フリードリンク、館内着、タオル | 湯河原町民は2,700円 |
食事付きプラン | 6,500円 | 5時間 | 食事、温泉、ライブラリー、フリードリンク、館内着、タオル | 湯河原町民は5,900円、宿泊者割引あり |
『惣湯テラス』のプランは次のとおり。いずれも手ぶらで温泉にすぐ入れます。

予約は公式サイトから行われ、希望時間を選択して当日その時間に来訪する形になります。
お支払いは現地決済、またはオンラインクレジットカード決済が可能です。
なお食事プランの場合、公式サイトの注意書き通り、食事オーダーが11:30〜13:30で、オーダー時間に間に合わないと食事がなしになります。食事プランを利用する場合、時間に余裕を持ちましょう。
パッと見では一般的なスーパー銭湯より割高に感じられるかもしれませんが、通常のスーパー銭湯だと日によっては混雑してあまりゆったり出来ないなんて事も多いのではないでしょうか?
その点、『惣湯テラス』は予約制で入場制限をしており、さらに利用対象年齢も中学生以上。
そのため、利用時間内は誰にも邪魔をされずゆったり過ごすことができます。
食事無しプランもありますが、3時間しかいられない事や、後述しますがここで提供される料理はかなりクオリティーが高いので、特にこだわりがないなら食事付きプランをオススメします!
3.実際に『惣湯テラス』を利用してみた
3.1. 入店時の主な流れと概要

フロントで受付を済ませるとロッカーの鍵が渡されるので、まずは指定された番号のロッカーを利用しましょう。
ロッカーは縦長のタイプで、大きなリュックがかろうじて入るほど。
分厚いスーツケースなどは入らない可能性が高いので、荷物が多い場合はご注意を。
(もっとも惣湯テラスまでの道のりが険しいので、やはり大きな荷物は事前にどこかへ預けておくと無難です)

ロッカーを出てすぐのところにはダイニングがあり、ここにフリードリンクが置いてあります。

フリードリンクは水や紅茶・コーヒーなど。ここでの紅茶・コーヒーは個包装で、備え付けのポッドに入ったお湯を注ぐ形になっています。
撮り損ねましたが、コーヒーにも数種類あって、地元の珈琲店で作られたものが用意されていました。
ここで好きな飲み物を用意して2階のライブラリーでゆっくりする、というのが、惣湯テラスでの過ごし方の一つです。
3.2. 「湯」の体験:源泉かけ流しと二つの露天風呂

浴場はテラスの別棟にあり、開放的な露天風呂とサウナがあります。
(浴室はいずれも撮影禁止のため、浴室の画像は施設の公式サイト・SNSの写真を使用してます)

また本棟から少し歩いたところに貸切風呂「奥の湯」があり、予約ボードの希望の時間帯に名前を書くことで利用することができます。
料金は無料で、筆者が使用した時は男女別で20分制でした。

貸切風呂の待機スペースとして『奥の湯ラウンジ』が設けられていて、時間が来るまでここで過ごすことができます。
数人がくつろげる椅子と本、ウォーターサーバーが置いてあります。

湯河原温泉は弱アルカリ性で柔らかい泉質が特徴で、効能は動脈硬化、切り傷、皮膚病などがあげられます。
いざ浸かってみると肌触りがよく、凝り固まっていた体を優しくほぐして気持ちよかったです。

また、露天風呂と貸切風呂のすぐそばには森の木々や川があり、温泉に浸かりながらもどこか自然の中にいるような空気を味わわせてくれます。

予約制で人数がしぼられているからこそ、都会の喧騒を忘れ、川のせせらぎを耳にしながらゆっくり温泉に浸かることができます。
露天風呂・貸切風呂いずれの脱衣所に鍵のかかるロッカーはなく、また浴場内には汗を流す用のシャワーはあるものの、シャンプー・リンス・ボディソープなどは設置されておりません。
本棟のロッカールームにあるシャワー室にシャンプー類が置かれているので、貴重品は事前にロッカーにしまいつつ、体を洗う際はシャワー室を利用する形になります。
また川辺という事もあり、季節によっては蚊も多いのでご注意を(実際、夏場の季節に訪れたので筆者も2箇所ほど刺されました……)
3.3. 「本」の体験:知的好奇心を刺激するライブラリー

「惣湯テラス」の魅力の一つが、2階にあるこのライブラリーラウンジです。
ここではビジネス書、自己啓発書、エッセイ、紀行文など、幅広いジャンルの本がたくさん揃えられています。

そして注目はその並べ方。
普通のライブラリーラウンジだと本棚がたくさんあったりするのですが、 惣湯テラスでは本棚にぎゅうぎゅう詰めとかではなく、1冊1冊が綺麗に置かれたオシャレなスタイルでした!
見栄えがいいだけでなく、本棚がないおかげで空間に圧迫感がない。

だからこそ、ゆったりした雰囲気があって静かに過ごすことができます!

実際ライブラリー利用時、室内には数名ほどおりましたが、みなさんも静かに過ごされているおかげでほとんど物音は感じず、読書に集中できました(あと、「ぼーっと」することも)

もちろんWi-Fiもあるので、スマホを利用したい方でもご安心です。
とはいえ読みやすい本も多くあるので、普段は読書をしないという人もせっかくならスマホを一旦手放し、読書にふけてみてはいかがでしょうか。
3.4. 「食」の体験:身体に優しい地産食材の恵み

食事付きプランで提供されるランチですが、料理のクオリティーが高かったです。
8月に訪れた際のお品書きはこんな感じ。


豪華な前菜に加えて、牛タンのシチューに野菜たっぷりの味噌汁と漬物のほか、ホタテご飯がついていました。

食後にはデザートもついて、抹茶のムースをいただきました。
いずれも湯河原周辺で獲れる旬の食材を使った創作料理で、美味しいのはもちろん、見た目も料亭さながらで楽しい食事の時間を演出してくれました。

またウェルカムドリンクとして、ウーロン茶やジュース類のほか、ビールやワインを含むアルコールが一杯まで無料でのめます。
ウェルカムドリンクはご飯の時だけでなく滞在中であればいつでも頼めるので、昼食を済ませて入浴した後に好きなドリンクを注文するなんて事も可能です。
時期によりコース内容も変わりますが、他の時期も美味しそうな料理だったので、惣湯テラスを利用するなら、ぜひここの創作料理を楽しみましょう!
4.『惣湯テラス』での最適な過ごし方

『惣湯テラス』自体が静かな空間をイメージした施設なだけに、作業のできるデスクは限られています。
一応作業もやろうと思えば出来なくもありませんが、ライブラリー内では基本的に静かに過ごされている方がほとんどで、タイピング音などはひんしゅくを買います。
公式サイトの注意書きでも「大きな音を立てないように」と書かれているので、「惣湯テラス」では仕事のことを思い切り忘れ、ゆっくり過ごされた方が満足できるかと思います。
もし作業がしたいという方は『玄関テラス』にコワーキングスペースがあるので、朝など少し早い時間に玄関テラスで作業を一通りし終えたあと、『惣湯テラス』で思う存分ゆっくりするという方が充実できるでしょう。
5. まとめ

予約制の入浴施設と聞くと少し気が引けるし料金もそれなりに張ります。
しかし都会や他の入浴施設にはない『静』が味わえ、さらに美味しい創作料理を堪能できることを考えれば行く価値は十分にあるかと思います。
一方、『惣湯テラス』はコンセプト的に作業の場としては不向きなので、単純に作業だけをしたい方は予約不要の『玄関テラス』を利用するといいでしょう。
温泉と食事を楽しみながら、静かな空間で読書に集中する。
そんな贅沢が味わいたい方は、ぜひ『惣湯テラス』へ足を運んでみてください。
【営業時間】
平日
10:00 – 18:00(最終入場16:30)
土日休日
10:00〜20:00(最終入場17:30)
【定休日】
第二火曜日
※その他臨時休業の可能性あり。
【利用対象年齢】
中学生以上
——————————————
【住所 Address】
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上566番地
惣湯テラス(温泉) 0465-43-8105

コメント